大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(行ナ)9号・昭26年(行ナ)8号 判決

本件の抗告審判請求書却下決定の当否について判断するに、右決定が、意匠登録出願の拒絶査定に対する抗告審判請求について準用せられる特許法第八七条第一、二項の規定によつてなされたものであることは明白である。そして右第一項は「審判請求書カ法令ニ定メタル方式ニ違反シタル場合」及び「成規ノ手数料ヲ納付セサル場合」には,審判長は、いわゆる補正命令をなすべきことを規定し、第二項は、右欠缺の補正をしない場合に、審判長は、審判請求書却下の決定をなすべきことを規定している。抗告審判の請求をなすには、請求人が査定又は審判の審決を受けた者であり、右請求が一定の期間内になされ、また代理人による場合には適法に代理権を有する者でなければならない等法令の定める要件に従つてなされることを要するのであるが、これらの要件を具備するかどうかは、三人の審判官の合議によつてこれを審理することを原則とし、これを具備しないと認める場合には、審決を以つて、抗告審判の請求を不適法として却下することを要することは、特許法第八八条の二の規定によつても明白であつて、ただ例外として、事柄が極めて単純明白である特定の事項を限定し、その欠缺ある場合には審判長のみの審査によつて、その補正を命じ、これに応じない場合には、抗告審判請求書を却下して抗告審判の審理を拒むことを許したのが、右第八七条、第一一〇条の規定の趣旨であると解するのが相当である。

従つて、第八七条による審判長の審査は、同条に列挙された事項、すなわち、請求書が必要的記載事項の記載漏等法令に定めた方式に違背していないか、成規の手数料が納められているかどうかの極めて形式的な事項に限られ、その他の要件、例えば、本件の場合のように、代理人に対する授権が適式になされているかどうか等の審査には及ばないものと解するのが相当である。

して見れば、審判長が原告の委任状に押した印鑑では、代理権についての証明を得ないものとし、意匠法第二五条特許法第八七条、第一一〇条により、原告に対し、その補充を命じ、これに基いてなした抗告審判請求書却下の決定は、違法であるといわなければならない

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